自分の憧れの人
今週のお題「大人になったなと感じるとき」
ずっと前にターシャ・テューダーに憧れていたことがあった。
羊を飼って、その羊の糸を紡いで、糸を織り、布を作る。その布から自分の服等を作る。
種を巻いて野菜や花を作る。花でリースやドライフラワーを作り、染料としても使う。
人形も作って、自分で人形劇の芝居をする。
山羊を飼って山羊の乳を搾り、その乳でバターやクリームを作る。そのバターを使ってケーキやクッキーを焼く。
生活の何もかもを自分の手で作り出す。
気の遠くなるような作業だけど、とても憧れていた。
それより遠い昔、専業主婦の母を上から目線で軽蔑していた。
自分は外でバリバリ働くキャリアウーマンになるんだ、と。
母は不器用ながらも綿で布団を作り、ミシンで子供服を作り、大豆から味噌を作り、梅干しを作り、
女手一つで(途中再婚もしたが)子供三人を育ててくれて、祖父母の面倒も見て、その手で介護もして見送り……。
今、考えると私の憧れていたターシャ・テューダーはこんな身近なところにいたのだ。
今の私は母のようには何一つ出来ていない。とても母を超えることは出来ない。
母に発した恥ずかしい言葉を取り消したい。今は感謝しかない。
私は母を尊敬している。
そう思う私はやっと大人になったなと自分自身を思う。