おしゃれ迷子

 

新聞に日本文学研究者のロバート・キャンベルさんの記事が載っていた。

 

娘がテレビを観ていたときに「この人いつもおしゃれだよね」と言って
注目していた。

 

私も知的で穏やかな物腰が素敵と思っていた人だが、静かな物腰の割には時に攻めている格好しているな……と思っていたのだ。

 

キャンベルさんはスタイリストを付けずに自分で服を選んでテレビ出演をしているそうだ。

「カメラが回っている時に与えられたタスクを達成するためにエネルギーになる装いをしていたい」

「服を選ぶ際、自分のアイデンティティーを発信するだけでなく、自分の活動全体を一つ上のステージに押し上げるための手段として、愛と好奇心を持って探求してほしい」

 

新作コレクションで好きな服を見つけると電話して入荷をお願いすることもあるとか。

 

とてもファッションに対しての自分の考えがあり、熱い人なのだなと思った。
テレビ出演等、人前に出る仕事をしているから余計そうなるというのもあるだろうが。

 

自分は若いころに比べておしゃれに対する情熱が失せているな……。
ミニマリストに憧れているので服を少なくしたいし……。
少ない服でおしゃれに装うのって難しいな……。

職場と家との往復だけだとおしゃれに対する意欲も失せてくる。

あまりファッションに対してどうでもよくなると
せっかくこの世に人間として生まれてきたのに
もったいないな……とも思う。

おしゃれに対する情熱が失われていくと
将来誰にも会わないからと言って
朝から晩までパジャマで過ごして
髪がぼさぼさのままずっーと暮らす老人になってもいいのか……
嫌である。

 

ここで思い出すのはデンマーク映画バベットの晩餐会』。

牧師である父との生活を優先して暮らしてきた老姉妹が主人公のお話。

これを観たのは大学生の時だったが今でも思い出すのは、老人になってもおしゃれに気を使って丁寧に生きているということ。

 田舎なので誰も訪れない日もあるが丁寧に身支度を整える場面とかが
若い私にも強烈に記憶に残るほどだったのだろう。

自分の個性を出してシンプルに……。
何か色々考えると難しいけど、せめて身ぎれいにしていたい。


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