暑いときのオアシスになるガラスの茶室

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

こんな危険な暑さが続く日には思い出す「あの日、あの場所」。
涼しげなあの空間。

数年前、何気なくテレビを見ていて飛び込んできた京都の風景。
その時、絶対ここに行きたい!
と思って思わず行ってしまったところはこの場所。

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京都の新名所として紹介されていた、ガラスの茶室(作:吉岡徳仁)。

場所は京都の将軍塚青龍殿という場所にあるらしい、ということで娘と一緒に京都へ出発。

2人の貧乏旅行で私は何十年ぶりかに夜行バスに乗った。
季節は夏。ぎっくり腰を発症しやすい私にとってすごい大冒険だった。
無事についたときには腰は何とか大丈夫だった。

関東の人間にとって、京都の夏がどんなものか実感がわかずに行ってしまった。
着いたらもう蒸し暑くて……。

歩くのも大変な中、バスを探していざ東山方面にある青龍殿へ。

京都は夏でもどこも混んでいる印象があったが、そこはマイナーなところなのかそこまで混んでいず、京都市内を見渡せる大舞台が新築されていて気持ちがよい場所にその茶室があった。

炎天下の中、そこだけは凛として涼しげな茶室であった。
伝統的な木造建築とそれとは対照的な現代的なガラスのアート作品。
それでいて周りの風景と溶け込んでいてとても素敵だった。

 

そして数年後、まさかこんな場所で再会できるとは、と思ったのがこちら。

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六本木の新国立美術館に行ったときにたまたま外に出たらこの茶室に出会えた。
懐かしい! それもあの時京都に行った娘と又一緒にである。

 

このガラスの茶室、要、不要と言ったらどうなんだろうか。
別に茶室として使えるわけではない、観賞用。


しかし、私にとっては要、要、要!!

アートについては全然詳しくないが、ガラスの茶室を心に浮かべるだけで
涼しい気がしてくるし、心が豊かになる感じがするのだ。

 

色々制限されている中で要、不要。
最低限の衣食住の次にされがちな文化。
だけど心のオアシスがなければ人は生きてはいけない。