有限から無限の可能性を作り出す……影絵の世界
劇団かかし座の影絵を観てきた。
手や体の一部で色々な動物を表現する。
たぶん、テレビ等でも取り上げられている。
言葉がなくても、手で表現した動物がよくわかる。
ウサギが素早く走っていく姿、鳥が飛び立つ姿、犬が走る姿……。
なんて、表現力が奥深いのだろう。
シンプルな光と影の世界……。
懐かしくて、心がほっこりとする。
大人も子どもも誰もが影絵の世界に魅入っていた。
その中で『醜いアヒルの子』のお話もあった。
はじめはアヒルの醜い姿の自分を湖面に写して悲しんでいる姿。
それが月日が経つごとに美しい白鳥へと成長していく。
手と体の一部で卵から白鳥へと変化するのを表現するのだ。
手や指の形、手や指のしなやかな動き、光の当たり具合……色々な技術の積み重ねで生き物が生き生きと表現されていく。
その世界の奥深さに圧倒され、涙腺が刺激されてしまった。
昔、娘たちが小さいとき、お友達と一緒に影絵遊びをしたことが思い出される。
手だけではなく、絵本の世界を表現しようと自分たちで画用紙やカラーセロファン等を用意して泳ぐ魚やくらげ、海の底の石を作って皆で『スイミー』の上映会をやったことも……。
大人も子どもも楽しんで工作していたな。
プロではないので本当に色々試行錯誤したのも良い思い出である。
自分達はちょっとしかやらなかったけど
光の当たり具合や音楽に合わせたスムーズな手の動きとか……
すごく難しいことであると思う。
これは絶対にAIには取って替われないこと。
人間がやるからこそ意味があり、感動がある。
人間の手という有限なものから無限な可能性の広がりを感じた。