私の街の小さな本棚
近所のカフェがとても気になっていた。
でも、モジモジ君の私は1人で入るのにとても勇気がいる。
映画を1人で観に行ったりするのは平気なのに、カフェや食べるところに1人で入るのはとても苦手。映画館は皆視線が前を向いているから平気。
カフェや食べるところでは、お客さんや店員さんの視線がとても気になる。自意識過剰すぎるのだろう。
映画やドラマでよくあるこういう設定。
――行きつけの喫茶店でマスターと仲が良い常連のお客さんの間で、ポンポンと会話がすすむ……。
自分にはそういうのってありえないが、憧れがある。
先日、その気になるカフェに娘と連れ立って入ってみた。
小さくてかわいいカフェ。
そして、何が気になっていたかというと……小さな本棚があるということを知ったからである。
ブロガーのエモさんのカナダでの記事に、「カナダの小さな図書館」という紹介記事があった。
※エモさん、勝手に記事紹介させていただきますね。
そういう取り組みって素敵だな、と思っていた。
私の街にもあったらいいな、と思っていたら私の街にもあったのだ。
「きんじょの本棚」という本棚。
これはカフェの中にある本棚。
マスターに本を借りたい旨を話すと
「何冊借りてもよいし、期限なし、他の店の本棚に返してもよい」
とのこと。
その中から好きな本を2冊借りてみた。
マスターと他のこともちょっと質問してみた。
ちょっとした会話だったけど、何気ない人との会話に心が満たされた。
小さなカフェは、メニューはコーヒーが数種類とデザート1種類のみ。
マスターの人柄もあるのだろうが、お昼過ぎにはあっという間に満席に。
お年寄りのご夫婦や、家族で来たらしい人たち……。
本当に近所の人がふらっと立ち寄るカフェ。
近所のカフェの小さな空間……。足元にある小さな幸せ。
ほんとに小さなことだけど、私の心はふぁーっと温かくなった。
今度、本を返しに来るときは、自分の本も寄付してみようか……。
ちょっと来るのが楽しみになった。
こんなことでも人は元気になれて、幸せになれる。