いつもの笑顔が可愛いい義母
思い切って両方の実家に帰省してみた。
宿泊は別のホテルにして、食事をちょっとしただけ。
――夫の実家でのこと。
義母が約2年前から認知症ぎみというのは感じていた。
それから2年振りに会うことに……。
会う前はちょっと躊躇した。
私たちの顔、忘れてないかな。特に孫のこと。
上の娘はとても義母に可愛がられていたので、
2年前、下の娘と区別がつかなくて名前を間違われてしまっただけで、ショックを受けていたのだ。
あのおばあちゃんが、変わってしまった……。というショックだったのだろう。
あれから2年……今では義母は要介護3になってデイサービスに週3回通っているという。
久しぶりの義母とどきどきしながら対面した。
ニコニコしている。
「久しぶりだね。○○ちゃん、○○ちゃん、○○さん」
娘たちの名前はちょっと間違えちゃったけど、満面の笑みの義母がいた。
皆でお寿司を食べるときも、
「さぁ、これ食べな。食べな」
と、自分のことはさて置いて、私たちを優先するいつもの義母がいた。
義母のいい所。
★子ども(孫)に寄り添い、話をじっくりと聴くこと。
昔、義母と上の娘(5歳ぐらいかな……)が長電話を延々としているのには驚いた。
今度娘が遊びに行ったら買ってもらうおもちゃについて話していたらしい。
とことん相手に寄り添い、味方になる。だから娘は義母が大好き。
そして、褒め上手である。この点はそのまま夫に引き継がれている。
★物を丁寧に扱うこと。
義母の家にはアイロンはないけど、洗濯物を手アイロンで丁寧にのばして、きちっとたたむ。
実家の母は、服をふわっとたたむので義母のたたみ方を見たときはその丁寧さに驚いた。
宅配で物を送ってくるときも、一つ一つ新聞紙で包み、その又上からビニール袋に入れるほどの念の要りようであった。
それに比べて実家の母は、段ボールの箱の一番下にトマトを入れたのでつぶれていたのには驚いた。
★働き者
自営業で忙しくしているのに、常に動いていて部屋も綺麗に片付いている。
遊びに行っても、少しもじっとしないで、私たちをもてなしてくれる。
いつも一休みしている私とは大違いである。
尊敬するところが一杯の義母。
そんな義母が一回り小さくなっていた。
私たちを精一杯の笑顔でお迎えしてくれた。
娘たちもニコニコと祖母と笑顔でおしゃべりした。
娘たちを可愛がってくれた祖母がそこにいることを娘たちも十分感じていた。
お別れするとき、
「又、来てね」
と義母。
私たちも
「又、遊びに来てね」
皆で義母の丸まって小さい背中をぎゅっと抱きしめた。
大好きなおばあちゃん、又来るね。